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2004-07-12

「夏と花火と私の死体」読了

natsutohanabitowatashinoshitai.jpgこの作品は、「夏と花火と私の死体」と「優子」という二つの短編からなっているが、ありていに言って「優子」の方は凡百、「夏と花火と私の死体」を書籍化するためにのみ存在する作品と思うのであえて評価はしない。

で、「夏と花火と私の死体」だが、荒削りというか詰めの甘さはそこここに感じるが、このレベルの作品を17歳の少年が書いたということ自体は驚きだ。

オチはかなり最初のほうでわかってしまうのだが、どのようなカタチで絡んでくるのかは最後までわからなかった。そのため読んでいる間なんとなく落ち着かなかった。

落ち着かないといえば、殺された被害者である女の子が妙に冷静なのもなんとなく落ち着かなかった。殺された被害者(というか霊?)の視点で語られる物語というのはたまにあるのだが、普通は「復讐」が目的である。この作品ではそんなことは無くって、ただただ淡々と描写が続いていく。

「被害者が怨みをあらわにしない」という乙一のスタイルは、そもそもの最初からそうだったんだなと、いまさらながら思った。

書評なんかを読んでみると、「視点が斬新」とか「淡々とした口調が怖さを倍増」とか書いてあったりするのだが、そんな風には感じなかった。ホラーとか読みすぎて鈍感になっているのか?>俺

次はようやく GOTH です。

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