「死にぞこないの青」読了
「死にぞこないの青」を読み始めた。
第一章を読み終えたが嫌悪感で読みつづける気になれない。
私は本来SF読みなのだが、ホラーや恐怖小説とか言われるものも良く読む。
良くできたホラーや恐怖小説には恐怖を感じる。でも感じるのはあくまでも「恐怖」であって「嫌悪感」ではない。
これまでにも「嫌悪感」を感じる小説は幾つかあったが、いずれも余りにも凄惨な描写であったり、またそれが実現可能(あるいは実現している)であったりと、嫌悪感を感じる理由は非常に明確だった。
しかし、この「死にぞこないの青」に感じる嫌悪感はそれとは違う。凄惨さは無い。とても身近で、それゆえにその場に居たくない、というような嫌悪感である。なんとなく逃げ出したくなるのだ。
子供のころから、スポーツが得意で、人気者で、大人になっても子供の頃のことを懐かしく思い出せるような人には分からないかも知れないが、私はそのような子ではなかったし、転校が多くてあまり友達もできなかったので、主人公の気持ちが良く分かる。
私も子供の頃には「嫌われてるかもしれない」「仲間はずれになっているかもしれない」という恐怖を感じたことがある。「ことがある」っていうか常に感じていた。もちろん今は家族も居るしそんな恐怖は克服したように見えるが、そんな原体験の記憶がそうやすやすと消え失せてくれるはずも無い。
この小説はそんな原体験的恐怖をよみがえらせるのである。
まだ第一章を読み終えたばかりである。まだホラーっぽいところは無い。でも私にとってはは十分に恐怖小説だ。
読みつづける気になれないが、きっと読み続けるんだろうな。嫌悪感は感じるが、主人公に共感できる小説というのもまた、稀だからだ。それに、読み終わったら感想も違ってくるかもしれないし。
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読了。
まぁ、そんな感じかな?って感じでしたね。
まぁハッピーエンドで。一応そうしなきゃ余りにも読後感が悪いしね。でも、結局全体としての印象は希薄になっちゃったような気もするが。
で、引き続き「暗いところで待ち合わせ」を読み始め。なんとなく乙一の世界観が解ってきたような気がする。
「救いようが無くも無い」ところが読んでいていらつかせられるところなんだと思うが。
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することもしたいことも幾らでもあるはずなのに、なんとなくその気になれなくてうら君相手に無駄話をしかけたりなんぞもしておりました。その後衝動的に日記のテンプレート... [続きを読む]
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